DATA ROOM
FANGの目的
対レネゲイド機関
FANGは主に対レネゲイド機関としての活動を行なっている。 これはレネゲイドやオーヴァードが関与する事項全般への対応を指す。
まず最初に、レネゲイドが関与する事件への対応が挙げられる。 偶発的な事件であるならば、それがファルスハーツを初めとする半社会組織に利用される前に事件の原因となった対象を発見補足し、可能ならば捕獲、あるいは抹消しなければならない。 人為的な事件であるならば、ファルスハーツなどのレネゲイド技術やオーヴァード要員を持つ組織が関与している可能性が濃厚となる為、影響が拡大する前の迅速な対応が重要とされる。
ただ、同じUGNの系統ではあるものの、全く別の組織構造を持つUGNセントラルとの間でしばしば縄張り争いや事件の対応権を巡る争いが起きる。 また、各国においても取り決めにおいてUGNにレネゲイド対処を任せているような場合でも、国のレネゲイド機関(日本のストレンジャーズなど)が自らの持つ権利を掲げて状況に介入する場合も多々ある。 何れにしても書類上の取り決めがそのまままかり通るということは少なく、FANGはあらゆる意味においてデリケートかつ素早い対応を求められている。
また、レネゲイド関係の研究と開発全般も対レネゲイド機関としての活動に分類される。 FANG、UGNセントラル、そしてファルスハーツは、古代から生きるイモータルオーヴァードである光谷真夜、霧谷雄吾、都築京香によって、他関係組織が未だ到達していないレネゲイドの秘密を掴んでいるが、それでも尚、レネゲイドの全てを知っているわけではない。 むしろレネゲイドの真実は半分も解明されていないと言えるだろう。 各組織の間で研究の内容と進行に差は多少あれど、レネゲイドの解明は対外活動より重要すべき事項なのだ。
研究開発の分野において、各組織が提携協力することも珍しくはない。 例えばファルスハーツはテロ組織にある程度のレネゲイド技術を供与しているし、FANGとUGNセントラルも相互間、各国間で提携協力を行なっている。 だが、FANGとUGNセントラルのこれは多少複雑なものとなっており、極端に言ってしまえば互いを敵視しているFANGとUGNセントラル間の協力提携は、あくまで同じUGN系統だからという理由でのみ行なわれる義理程度の付き合いでしかない。 研究施設や開発技術の共有などが主な内容になるが、それもろくに行なわれていない。 また、FANGとUGNセントラルは援助国に提携協力を行ない、これを援助の代価としているが、FANGとUGNセントラルは個々で関係が深い国に提携協力を行なっている。 例えば、FANGはアメリカ合衆国を初めとして西欧諸国と関係が深く、UGNセントラルは中国とロシアを初めとするアジア、東欧諸国と関係が深い、と言ったように。
何れにせよ、レネゲイド研究は各組織の中で最重要機密として扱われており、提携協力はあくまでも「求められれば応じる。 渡すか否かは別として」程度となる。 FANGの場合、PROJECT.NEXUSに関する事項は全てトップシークレットとなっている。
国際救助組織
また、FANGは国際救助組織としての一面を持っている。 これは豊富な装備と技能豊かな人員、そして膨大な組織力と莫大な資産を背景に行なわれているものであり、その活動は多岐に渡る。
第一に災害が起こった際の対処が挙げられる。 一国内で対処すべき規模の災害であっても、国が災害救助を行なうためには政府内で様々な承認と取り決めや確認を行なわねばならず、実際の行動に移るまでにはそれなりの時間を要する。 国際的な救助を必要とする規模の災害においては、各国間の協議、条約に抵触するか否か、救助部隊の編成など、その全てにしがらみと書類がついて回り、迅速にはほど遠い対応となるのが常である。 だが、民間組織であるUGN、FANGは災害国もしくは国連の一存を得るだけで一日もかからずに素早い行動を取ることが可能となる。
人道的救助とは別に、報酬制救助と言うべき活動も存在する。 これは内戦などの、敵対行動による障害が予測されるケースにおける救助活動である。 FANGの持つ先進的かつ強力な装備や、オーヴァードたちの比類無き戦闘力を以て障害を回避あるいは征圧しながら、要救助者の元へ向かうのだ。 これは国連や国家の依頼で行なわれ、報酬を受け取る形で実行される。 だがこの活動はしばしば、各国の軍やレネゲイド部隊、そしてUGNセントラルとの軋轢の原因にもなる。
クロドヴァ公国との関係
ダキウム鉱石によるオーヴァード発症誘発現象「リエラハザード」がレネゲイド関係組織に衝撃を与えたクロドヴァ公国。 この公国は現在、ファルスハーツと関係の深いルカーン財団の後押しによって独立を宣言したラゼラム共和国の武装蜂起によって内戦状態にある。
基本的なスタンスとして、民間組織であるFANG(そしてUGN)は、国家間の衝突に積極的に干渉することはない。 仮にあったとしても、上項で述べたとおり、救助という「名目」が無い限りは。 だが、このクロドヴァ公国の内戦に関しては、FANGが積極的にクロドヴァ公国及び第二公子エミール・カサド・カンテミール率いる傭兵部隊「デザート・ミラージュ」に支援及び協力を行なっている。
というのも、クロドヴァの内乱はファルスハーツが演出したものであり、内乱による成果ではなく、内乱の混乱そのものをファルスハーツが創り出したことに関係がある。 内乱を継続させることにより、ファルスハーツは東欧の流通、経済を支配し、“金の出る井戸”である所有権が明確とされていないパイプラインを独占しているのである。
この為FANGは、デザート・ミラージュの作戦行動に直接参加するということは“名目上”無いものの、ファルスハーツに対する行動という“名目”を用い、現在のところ公的に国家として認められているクロドヴァ公国に支援協力を行ない、クロドヴァ公国軍並びにデザート・ミラージュの作戦行動に合わせる形で対ファルスハーツの作戦行動を展開している。 だが、内乱が泥沼化しているために、この活動も長期的なものになりつつある。
尤も、人道的な支援、敵対組織であるファルスハーツの存在などの要素は別として、ダキウム鉱石を初めとしてパイプラインの利権もFANG及びラウンド・マトリクスの狙いであることは間違いない。
PROJECT.NEXUS
様々な活動を行なうFANG。 だが、真の目的は、輸送機墜落事件によって世界中に撒き散らされた悪魔のレネゲイドウィルス「インベイジョンレネゲイド」の活動停止を行なう計画「PROJECT.NEXUS」を完遂させることに集約される。
PROJECT.NEXUSとは長官である“ザ・ワン”光谷真夜自らが主体となって推し進めている計画であり、全世界に存在する、原初のレネゲイドウィルス、その結晶である巨大なレネゲイドクリスタル「H・レネゲイドクリスタル」が持つ、全レネゲイドに影響を与えるほどの強力な波長を発する共振効果を利用し、“プランナー”都築京香、ファルスハーツによって世界に撒き散らされ、感染した物のオーヴァード化を促進させる「インベイジョンレネゲイド」の活動を強制的に停止させる計画である。
FANGは元々、この計画のために用意された機関であり、インベイジョンレネゲイド停止命令の共振を開始する光谷真夜が位置する本部の地下深くには増幅器となるH・レネゲイドクリスタルが存在し、世界中の各大支部にもFANGが確保したH・レネゲイドクリスタルが存在する。 また、本部及び大支部の周囲に配置された小支部は共振を拡大する為の装置であり、「テクノラネットワーク」と呼ばれるFANG独自の情報ネットワークは、EXレネゲイドに感染した特殊ネットワークであり、共振を確実に伝達させるための設備である。
現在でも光谷真夜は共振の発生源となるために、常時自身を蝕むあらゆる激しい痛覚と引き替えに、レネゲイドクリスタルとの融合をゆっくりと確実に進めている。 この為に光谷真夜はレネゲイド波長の同調を行なっているH・レネゲイドクリスタルの存在する本部から動くことができない。
この計画はFANG上層部と関係者、FANGのスポンサーであるラウンド・マトリクス、そしてUGN中枢評議会FANG派の一部のみが知る最重要機密事項である。 だが、FANGに属する隊員の行なっている活動がPROJECT.NEXUSに無関係であるかと言えば、決してそうではない。
何故ならば、ファルスハーツもこれと同じく、H・レネゲイドクリスタルの世界的な共振を行なうことで、全生物のオーヴァード化を目論んでいるためだ。 この計画はファルスハーツ内でも“プランナー”都築京香とセントラルドグマの重鎮のみが知る計画であり、「PROJECT.RAGNAROK」の名で呼ばれている。
つまり、FANGの保有するH・レネゲイドクリスタル、そして未発見のH・レネゲイドクリスタルをファルスハーツの手に渡さないことがPROJECT.RAGNAROKの阻止に繋がり、ファルスハーツの計画を阻止することがPROJECT.NEXUSの完成に繋がるのだ。