A Silmeria kingdom

“剣の国”シルメリア王国

シルメリア王国の歴史

シルメリア王国は、自由都市同盟より北東に10日の地に位置する女王制の王国です。 女王の名を冠する首都イセリアルには6万余の人々が住んでおり、シルメリア王国はルキスラ帝国に比肩する勢力を誇っています。

シルメリア王国は元々、《大破局》以降に成立した、シューヴァ連合国という名の7つの都市国家が集結した連合国家でした。 このシューヴァ連合国は、権力者に取り入る邪教や、治安の悪さにつけ込んだ犯罪組織の暗躍が絶えず、世襲で受け継がれる7人の首長による圧政に、国民は長い間苦しんでいました。

ですが現在より20年前、シューヴァ連合国を訪れた冒険者達が、邪教の一つと対立したことをきっかけに、シューヴァを統治する権力者たちとも対立し、それはいつしか国民たちを蜂起させる大きな戦いとなりました。

その結果、長く国民を苦しめてきた権力と勢力は駆逐され、国民の総意の元に反乱軍のリーダーとなっていた冒険者の一人である“剣姫”イセリアを女王とし、シルメリア王国が成立したのです。


シルメリア王国の現在

王国は現在、45歳を迎えた女王イセリアの統治の元に繁栄を続け、王国の人口は60万人を超えています(王都だけで6万人)。 悪徳の都とまで呼ばれたシューヴァ連合国の瓦解から僅か20年で、ルキスラ帝国に比肩し得るほどの繁栄を得た事には、それなりの理由があり、その一つとして、女王の統治が「法による規制」よりも「法による制御」に重きを置いていることが挙げられます。

連合国の瓦解後、国を支配していた邪教や犯罪組織を一度は駆逐したものの、成立後間もなく、法や制度を一から整えなければならないシルメリア王国は、外の邪教や犯罪組織にとって垂涎の新天地となっていました。

女王や、かつての仲間である側近たち、そして国民から選出された各都市の市長たちは、長い歴史と並行した法制度を持つフェンディル王国に助力を乞い、法の整備を優先させました。 しかし、根強くこの地に影響力を残す邪教や犯罪組織は法の網を潜り、徐々にその枝葉を延ばしていきました。

そこで女王は、邪教や犯罪組織を法だけで根絶させる事を不可能とし、逆にある程度寛容した上で、それによる被害を最小に抑える道を選びました。 これによって生まれたのがシルメリア王国独自の『盗賊ギルド』です。

この盗賊ギルドは、女王公認の犯罪組織という前代未聞のギルドであり、女王によって許された範囲でのみ仕事を許される代わりに、全力を以て外部の裏組織を厳しく取り締まる、というものでした。

一時期は議論を呼んだこの制度ですが、女王によって仕事の範囲を制限される反面、その範囲内では自由を保障された盗賊ギルドのスカウトたちは、実に素晴らしい仕事ぶりを見せ、王国を食いつぶそうとする裏社会の組織たちは軒並みその行動を厳しく制限されるという結果となりました。

これに見られるように、シルメリア王国は何事に対しても「許される範囲内であれば自由を保障する」というスタンスを取るために、特に交易を中心とする商業の活性化を呼び、結果として現在のような発展が促されたのです。 これは一種、混沌とした繁栄ではありますが、かつてのシューヴァ連合国時代によって鍛えられた国民の強かさは、これを受け入れているようです。


シルメリア王国の地理

王国は、王都イセリアルとその衛星都市による都市群を中心とし、他に6つの都市群が王都を囲む形で配置されています。 それぞれの都市群は、大都市を中心として衛星都市や村落が周囲を囲む形で構成されています。 各都市は城壁で囲まれ、蛮族が侵攻した際には都市自体を砦として防衛することができます。 これは元々シューヴァ連合国時代の名残を受け継いでいる形となるのですが、当時は首長や市長が民衆を守るという意識が全く欠片も無かったため、有効に働いていなかったようです。

王国内には魔動機文明時代の遺跡である「奈落の城」があります。 これは王国東南東の海岸沿いに存在する遺跡で、底が見えない程の巨大な谷に隠されています。 むしろこの谷自体が遺跡であり、かつて魔動機文明史において、数々の魔動機や魔動兵がここで生産されたと言われています。 事実、谷の断層に点在する入り口から一歩入ると、そこは強力な守護者や罠の待ちかまえる要塞であり、貴重な品や知識が持ち帰られることがあります(それ以上に帰ってこない者のほうが断然多いのですが)。

更に王国南南西には魔法文明時代の遺跡と言われる「堕ちた空中庭園」が地面に埋没する形で存在しています。 当時、かなりの大質量が高所から落下したにも関わらず、奇蹟という言葉ですら足りないほど、完全な形で現存しており、これは未だこの遺跡に魔法の力が働いているからだと言われています。 巨大な遺跡であり、多くの冒険者が知識と宝を求めて訪れているにも関わらず、未だ踏破率は10%にすら満たないと言われており、深い階層には強力な魔物が徘徊しているという噂です。

王国の西には神紀文明時代の遺跡と言われる「神へのきざはし」が存在しますが、現在のところこれについては全く何もわかっていません。


シルメリア王国の治安

シルメリア王国は基本的に、兵隊の一種である衛兵と、市民による衛視によって各都市の治安を守っています。 基本的に衛兵は外部からの蛮族の侵攻に備え、衛視は内部の治安を守っています。 衛兵や衛視の存在しない村落は村人が一致協力して治安の維持と獣や蛮族による脅威に備えています。

例外となるのは闇市などの盗賊ギルドの管轄区で、ここは盗賊たちが治安を維持しています。 喧嘩などの争い事は基本的に黙認の傾向がありますが、殺しだけは御法度で、もし盗賊たちの管轄区で「認められない理由」で殺人を犯した場合、その多くは死の制裁を与えられます。 この管轄区で許されるのは喧嘩と、騙し、盗みまでです。


シルメリア王国の宗教

シルメリアは国教として“風来神”ル=ロウドを祀っています。 これはシルメリア王国の掲げる「自由の国」がル=ロウドが司る自由の性質と一致するからというよりも、ル=ロウドの幸運を司るという側面と、「運命は自分で切り開く」という性質が、王国の歴史や商業重視の国政に一致しているためです。 無論、女王公認の盗賊ギルドという独特の存在が影響している面も否定できません。

邪教を除く他の教団に対しても寛容で、王国内における信仰の自由を保障しています。 また、各教団と提携協力し、福祉面を充実させる政策に取り入れているようです。


シルメリア王国の冒険者

シルメリア王国には、「奈落の城」「堕ちた空中庭園」を初めとする遺跡群が数多く発見されるために王国を訪れる冒険者が多く、王国にとっても富をもたらす存在である冒険者は歓迎すべき存在です。

また、最近ではルキスラ帝国が冒険者から飛空艇の核を買い取り、飛空艇の建造を始めたという情報がきっかけで、シルメリア王国もより積極的な冒険者の支援と確保に貪欲になっています。