Adventurers shop
シルメリアにおける冒険者の店
シルメリア王国には数多くの冒険者が集うため、王都だけでなく各都市にも多くの冒険者の店があります。 冒険者たちの交流の場となる宿や酒場だけではなく、武具屋や道具屋、更には前文明の宝物を取り扱う古物商などもこれに含まれます。
特に王都イセリアルには数多くの冒険者の店がひしめき、激戦区となっています。 かつては悪質な冒険者の店も多かったのですが(最悪な類では店主がたびたび客である冒険者の寝込みを襲い、金品を強奪していた例があります)、現在ではこうした冒険者の店はなりを潜めています。 評判の悪い冒険者の店はすぐ潰れてしまうのです。
とは言え、冒険者ギルドや良識のある冒険者の店には頼みにくい依頼者、というのも確かに存在し、そういった客を専門に扱うようないわゆる「裏冒険者の店」が存在しています。
ここでは特に、みなさんが世話になるであろう冒険者の店を紹介します。
“冒険者の酒場”アンナ・ミラ・コッタ
アンナ・ミラ・コッタはシルメリア建国と同時に建てられた老舗です(と言えど20年程度ではありますが)。 というのも店主のアンナはかつて“剣姫”イセリアと共にシューヴァ連合国と戦った冒険者の一人であり、要職の誘いを辞退してこの酒場を開いたのです。
そんな経緯であるからして、アンナ・ミラ・コッタの人脈とコネは冒険者にとって非常にありがたいものであり、冒険者に格安で宿や食事を提供するだけではなく、頼めば下宿やアパートも紹介してくれますし、武具や防具の店も紹介してくれます。 勿論、冒険者への依頼斡旋所としても有名で、人気があります。
宿と酒場を兼業するアンナ・ミラ・コッタの外観は、木と煉瓦造りの三階建てで、1階の酒場部分は三階まで吹き抜けとなっており、2階の吹き抜けを囲む部分は階下を眺めることができるテーブル席になっています。 テーブル席を除く2階と3階は宿室となっています。 夜ともなれば冒険から帰った冒険者たちや、彼らの土産話を楽しみに訪れる人々、吟遊詩人で大にぎわいとなります。
“女将”アンナ
アンナ・ミラ・コッタの店主であるアンナ。 かつては多彩な技とパワーを併せ持つ肉感的な美人格闘家だったそうですが、現在では慢性的な腰痛に悩む、50歳目前の割腹のいいオバさんです。
穏やかで気っ風がよく面倒見がいい為、彼女に相談するために店を訪れる客も多くいます。 現在ではかつての戦闘力を失いましたが、本人によれば腰痛と引き替えに、一日に一度だけ「アンナ・サーベイジ(魔力を込めた中段正拳突きから追い突きへの派生技)」を放てるという話です。
“料理人”ラテ
アンナ・ミラ・コッタの厨房を任されるコボルト料理人。 それがラテです。 丸っこい体に短い手足、ふさふさの茶色の体毛、とまるで子犬のぬいぐるみのような愛嬌たっぷりの外見です。
力が弱く、体も小さい彼はコボルトの集落から追い出され、職を求めて王都イセリアルにやってきたのですが、お人好しで気が弱く、物怖じしてろくに話せない性格が災いし、悪質な冒険者の店で酷い待遇の元に働かされていました。 疲れと飢えでついに倒れたところを捨てられ、死を覚悟したところを拾ったのがアンナという訳です。
口数が少なく、ぱたぱたと厨房を走り回り、いつもにこにこと笑うラテはマスコット扱いされることも多いのですが、反面、天才的な料理人であり、かつての仲間であるアンナに会うために店を訪れた女王がラテの料理を口にするや否や、宮廷料理人に召し抱えようとした話は有名です。
“ウェイター”シルヴィア
ウェイターのシルヴィアは、生まれたばかりのルーンフォークの女性です。 とある冒険者が「奈落の城」で生まれたばかりの彼女を見つけ、連れ帰り、彼女はその冒険者の従者としてしばらく行動を共にしますが、その冒険者は冒険中に不幸にも命を落としてしまいます。
目的を失い、路頭を彷徨っていた彼女にアンナが声をかけたことがきっかけで、シルヴィアはウェイターとして新たな人生を歩み始めたのです。 小柄かつ無表情ですが、妙に色気のある体つきをしているために、下心を持って近づく客も少なからずいるようです。
“武具店”オールスレイヤー
オールスレイヤーは、アンナ・ミラ・コッタ同様に、建国と同時に始まった武具店です。 店主のガルフィスは反乱軍に加わった名うての傭兵であり、その際に負った深手の傷が元で現役を退き、店を始めたのです。
優美な武具よりも無骨な武具に美学を見出す彼の主義が形となったオールスレイヤーは、質実剛健な品ばかりを取りそろえています。 客に合った品を選ぶガルフィスの見立ては確かであり、スーツアーマーなどの特注が必要となる品に関しては安心できる武具職人を紹介してくれます。
“道具屋”フェアリーリング
フェアリーリングは盗賊管轄区にあるちょっと曰くありげな雰囲気の店です。 女主人のティアはおっとり系のエルフ女性で、とてもではありませんが盗賊管轄区に店を構える人物には見えません。 しかし何故かは知りませんが盗賊たちは彼女に畏怖を抱き、この辺りでは「彼女に手を出すものはモグリ」とさえ言われていますが、彼女の一切は謎に包まれています。
場所柄、訪れるのに少しばかり勇気がいりますが、冒険に必要な道具の一切はここで手に入ります。 単純な種類だけではなく、良質な品のみを置いているので、いざ冒険に出て不良品に気付くということも無いでしょう。
“古物商”竜の巣
王都の外れにある竜の巣は、知る人ぞ知る名店であり、入り口には本物のドラゴンの頭蓋骨が飾られています。 店主であるボルヴォックはありとあらゆる様々な品々を見てきた目利きのドワーフであり、彼の鑑定眼は非常に確かなものです。
ここで売られている品は芸術品ばかりであり、冒険者にとってはあまり必要な品ではありませんが、遺跡から持ち帰った品を鑑定し、公正な値で買い取ってくれるので、冒険者にとって重要な店となります。
